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効率的市場仮説とボラティリティ

東証1部の売買代金、06年度600兆円超す
(NIKKEI NET 2007/3/30より)
 2006年度の東京株式市場では、東証1部の売買代金が前年度比100兆円(19.8%)増の609兆円となり、過去最高を更新した。06年後半から外国人投資家を中心に売買代金が急増。今年2月の世界同時株安で、2月の月間売買代金が過去最高となるなど大商いが続いたことも、年度の売買代金を押し上げたとみられる。一方、株数ベースでみると、売買高は05年度に比べ455億株(9.1%)減少し、4559億株にとどまった。

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 売買高のニュースを見ていつも思うのが、「市場は本当に概ね効率的なのか?」「本当に年々効率的になっているのか?」ということです。まず効率的な市場は以下の仮説を前提としています。

  • 各投資家は、各株式の本来的な「実体価値」だけを基準として投資決定をする。
  • 各投資家は、他の投資家も同様に「実体価値」にのみ基づいて投資決定をし、その結果として市場価格が決定されると考えている。

 合理的な世界では、価格は予期せぬニュースが届いたときだけ変化するはずです。
ところが現実における株式の売買高は、標準ファイナンスが想定する量を十分上回っていることが知られています。
 そもそも、取引する人々がお互いに合理的であることを知っている市場では、合理的なトレーダーは、他の合理的なトレーダーと取引するのを望まないので、頻繁な取引は成立しないはずです。合理的なトレーダーが売りに回っているときに、買い方に回る合理的なトレーダーはいませんからね。

 また、理論が想定する以上に売買高が多いという事実は、市場の変動性が異常に高いという事実とリンクします。市場にノイズトレーダーが存在する場合や投資家が情報に対して過剰反応する場合に、市場の変動性が高まることは周知の事実ですが、売買高が莫大であるという事実を鑑みますと、それほど市場は効率的ではなく、投資家(個人・機関問わず)の多くは心理的なバイアスから逃れられないという表れなのかもしれません。

 最近「バフェットからの手紙」を読んで、効率的市場仮説に強い疑問を抱くようになりました。CAPMはそれほど万能ではなく 、財務諸表が読めない無能な投資家(=サル)が取り得る最もマシな投資方法だということですね。改めて肝に銘じておきたいと思います。
ローレンス・A・カニンガム、増沢浩一
[オーディオブックCD] バフェットからの手紙

上場廃止の基準

投資家保護 裁量幅広く
(読売ONLINE2007年3月26日より)
不正会計が指摘された日興コーディアルグループの上場が維持されたことで、取引所の上場制度が改めて注目されている。東京証券取引所と提携関係にあるニューヨーク証券取引所(NYSE)やロンドン証券取引所(LSE)にも上場廃止の仕組みがある。投資家保護の理念を柱に、東証よりも幅広い裁量を認めているのが特徴だ。

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今月、東証が大方の予想に反して、日興コーディアルグループの株式の上場を維持することを決め、同銘柄を管理ポストから元に戻したことは、皆さんのご記憶に新しいことと思います。この判断には賛否両論があるかと思いますが、そもそも各国の上場基準はどうなっているのでしょうか?
今回はSOS団の後学のために、アメリカやイギリスにおける上場基準についてかじってみたいと思います。

上場廃止基準

上の表が大まかな日米英の上場廃止基準です。
これを見る限り、東証に限らず、最も効率的な市場を形成していると思われるアメリカでさえ、判断基準があいまいだということが分かりますね。イギリスでは、今回の日興コーディアルのような意図的な不正会計を行ったケースでも上場廃止を決定した例はこれまでにないということで、ほとんどが罰則を科すことで対応しているようです(東証も罰則の制度を検討中です)。

他方、アメリカでは「公共の利益と投資家保護の観点」から、企業が破たん手続きをしていなくても上場廃止にできたり、悪質な不正決算が行われた場合でも、金融システム不安を回避するために上場廃止を回避したケースもあるということで、裁量の幅がかなり広いようです。

こうして見ますと、東証に限らず上場維持か廃止かは各国の証券取引所の裁量に任されている部分が大きいことがわかります。ただ、株式の管理者である証券取引所の裁量は認めますが、やはりきちんとした説明は必要だと感じます。第3者からみて、ライブドアと日興コーディアルの行為はほとんど同じように思えますが、以下のような文章だけで片付けるのはあまりに乱暴だと思いますから。皆さんは下記の説明だけで納得できますか?

(株)日興コーディアルグループ
監理ポスト割当解除理由
株券上場廃止基準第2条第1項第11号a(上場会社が有価証券報告書等に「虚偽記載」を行い、かつ、その影響が重大であると当取引所が認めた場合)に該当しないと認めたため

株式会社ライブドア
上場廃止理由
株券上場廃止基準第2条の2第1項第5号の規定により適用される同基準第2条第1項第11号 (上場会社が有価証券報告書等に「虚偽記載」を行い、かつ、その影響が重大であると当取引所が認めた場合)及び第18号(公益又は投資者保護のため上場廃止を適当と認めた場合)に該当すると認めたため

(注)(株)ライブドア及び同社元代表取締役等5名が、証券取引法違反(虚偽記載)の嫌疑で証券取引等監視委員会により告発された件で、同社は、平成16年9月期連結財務諸表について、経常損失を計上すべきところを多額の経常利益を意図的かつ組織的に計上したものとされている。これは、その金額において重大であり、投資者の投資判断にとって重要な情報を故意に偽った点で悪質であり、これを組織的に行った点で上場会社としての適格性を強く疑わざるを得ないものである。
また、同社及び同社元代表取締役等4名が、証券取引法違反(偽計取引及び風説の流布)の嫌疑で同委員会により告発され、東京地方検察庁により起訴された件で、同社は、子会社等と共謀の上、自らの利得を企図して、子会社の株価に影響を及ぼす等の目的で虚偽の事実を公表し、あるいは公表すべき事実を公表しなかったとされている。さらに、同社の平成18年9月期第1四半期に係る四半期財務諸表等については、監査法人は意見表明の手続が実施できなかったとして結論を表明していないうえ、同社株式については、開示注意銘柄への指定を行っているものの、未だ重要な会社情報についての開示が十分になされたとは到底いえない状況である。
こうした状況は、投資者の証券市場に対する信頼を著しく毀損するものであると認められる。

シティ・グループ世界国債インデックス

シティ・グループ世界国債インデックスについて
インデックス運用を行っていると、金融商品の内容について把握しなくなりがちです。個別銘柄を選択するという時間的負担を軽減できる点でインデックス運用には利点がありますが、最低限、自分が投資している内容くらいについては把握しておきたいところです。

今回はシティ・グループ世界国債インデックスについて勉強してみたいと思います。といいますのも、前回、PRU海外債券マーケットパフォーマーと中央三井外国債券インデックスファンドを取り上げましたが、同じベンチマークを使用しているにもかかわらず、あまりに債券の組入れ比率が異なっていたことに驚きましたので、ベンチマークについて知っておこうと思った次第です。

そもそもシティ・グループ世界国債インデックスとは、世界の先進国の債券市場の動きを捉える指数で、2006年9月末で26ヵ国(日本を除けば25カ国)の国債の総合投資利回りを各市場の時価総額で加重平均し、指数化したインデックスです。1984年12月末を100としています。

シティ・グループ世界国債インデックス

ちなみにここでいうデュレーションとは修正デュレーションのことで、利回り1%の変化に対する債券価格のおおよその変化の割合と定義されています。例えば、6.02年の修正デュレーションの債券価格は、最終利回り1%の下落ごとに6.02%上昇し、最終利回り1%の上昇ごとに6.02%下落します。デュレーションが長ければ長いほど、債券は金利変動に対して感応度が高くなるということですね。

インデックスの地域別構成や通貨配分は以下のようになります。世界の株式比率であるMSCI ACWI(All Country World Index)と比べると一目瞭然ですが、ユーロ建ての債券の組入れ比率が高いことが分かります。

通貨配分

次にシティ・グループ世界国債インデックスのリスクとリターンについて見てみることにします(データは2006年7月末です)。
世界国債
(円ベース)
世界国債
(現地通貨ベース)
円/USドル 円/ユーロ
1年リターン 5.94% 0.02% - -
3年リターン 5.49% 4.01% - -
5年リターン 8.65% 5.22% - -
10年リターン 7.47% 6.37% - -
1年標準偏差 4.15% 2.76% 6.60% 6.24%
3年標準偏差 6.99% 3.23% 7.98%
9.23%
5年標準偏差 8.09% 4.00% 8.14%
9.07%
10年標準偏差 11.72% 3.70% 10.52% 11.29%


当たり前のことですが、現地通貨ベースでのボラティリティは為替による損益がありませんので、10年標準偏差で3.7%と非常に小さい値になっています。しかし、日本で生活をする我々は円ベースで考える必要がありますので、当然為替リスクを背負うことになります。ここ10年の円ベースでのリターンは7.47%、リスクは11.72%ということになりますね。

先にも挙げましたが、シティ・グループ世界国債インデックスはユーロ建ての債券の組入れ比率が高いので、ユーロの変動に高い相関を示してます(データは2006年7月末です)。
10年相関 世界国債
(円ベース)
世界国債
(現地通貨ベース)
円/USドル 円/ユーロ
世界国債(円ベース) 1
世界国債(現地通貨ベース) 0.32 1
円/USドル 0.77 -0.09 1
円/ユーロ 0.84 0.05 0.62 1

以上見てきましたように、シティ・グループ世界国債インデックスへの投資では過去の実績において長期的に見ると10%前後のボラティリティがあります。値動きが安定している(と考えがちな)債券への投資とはいえ、それ相応のリスクがあり、ファンドのリターンは為替変動による影響を大きく受けるということを認識しておく必要があります。やはり、インデックスと言えども勉強は必要ですよね。改めてそう感じました。

春闘の抜本改革?

“1000円”を巡る対立から抜け出し“人材育成”へ重点シフトを
(日経ビジネスONLINE 2007年2月20日より)
2007年春闘では労使間の成果配分のあり方が大きな論点になっている。
とりわけ、労働分配率を巡って両者の見解が大きく対立。労働側は分配率の低下は人件費削減の一方、株主配当・役員報酬を増やしてきた結果であり、今こそ消費喚起のためにも一律賃上げを実施すべきだと主張している。これに対し、経営側は、労働分配率はそもそも業種・企業によって異なり、業績の違いも大きい状況下、賃上げは個別企業ごとの問題だと反論する。

春闘

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SOS団の勤務するA社でも春闘における賃上げ交渉の結論が出ようとしています。A社ではレンジ幅を持つ範囲職務給制度を採用しているため、ベースアップという概念はありません。ですからトヨタやシャープのように一律1000円とか1500円とかいった賃上げ要求ができない状態にあります。ちなみに賞与も業績連動なので、もはや交渉の余地すらありませんorz

とはいえ、労組としても何もしないままでは役立たずに終わってしまいますので、苦肉の策として「人材育成」を盾に、職務給(ターゲット水準)に到達していない組合員の昇給率をアップさせるという要求を行っています。このことは、職務給の範囲の下の方に位置する組合員に対してのみ賃上げ要求を行うことであり、範囲職務給の上の方に位置する組合員に対しては全く恩恵を与えないという結果になります。

このように労働分配率低下が叫ばれている中でさえ、一律に賃上げを要求せず、格差のある賃上げ要求を行っているのが現状です。今回の要求で、最終的には組合員一人当たりに換算して1500円相当が賃上げされる見通しですが、この賃上げが直接還元されるのはターゲット水準に到達していない一部の人だけになります。

***

グローバルな競争環境を勘案すれば、おいそれと人件費を上昇させられないことも理解できますが、少子高齢化社会では消費国家になりますので、消費喚起のためにも全員に恩恵が行渡るような分配に配慮してもらいたいものですね。

イーバンクの投資信託

PRUマーケットパフォーマーシリーズをノーロードで
いつもお世話になっているブログ「ホンネの資産運用セミナー」を覗いていたら、PRUマーケットパフォーマーをイーバンクが発売開始 というニュースを発見しました。

PRUマーケットパフォーマーの詳細は以下のとおりになります。

PRUシリーズだけでアセットアロケーションを組むことも出来ますが、やはり目玉は海外債券マーケットパフォーマーでしょうか。債券は株式と比べると期待リターンが小さいので、信託報酬が高いと実質的なリターンが望めません。その点、PRUの海外債券マーケットパフォーマーは年率0.6825%ですので、そこそこの実質的なリターンが望めそうです。

ただし、中央三井外国債券インデックスファンド と比べて、債券の組入銘柄数が少ないのが気になるところです。
中央三井外国債券インデックスファンドは組入銘柄数が342なのに対し、PRU海外債券マーケットパフォーマーでは55銘柄です。また各国の比率も相当異なり、特にPRU海外債券マーケットパフォーマーではドイツ債権が37%と突出しています。
デュレーションは中央三井が6.11、PRUが5.87、シティグループ世界国債インデックスが6.06ですね。正確にベンチマークに則しているのは中央三井外国債券インデックスファンドと言えそうですが、如何せん、高すぎる信託報酬のせいでどちらもベンチマークから大きく乖離しています。6年の運用実績で10%の乖離は許容できないですよね。

しかし現状では、PRU海外債券マーケットパフォーマーと中央三井外国債券インデックスファンドに勝る外国債券インデックスファンドが存在しないので、どちらかを検討せざるを得ない状況です。手数料の安さでPRUファンド、ベンチマークのトラッキングで中央三井ファンドと言ったところでしょうか?

産業再生機構:事業再生の実践

事業を再生させるということ
SOS団は無知で知らなかったのですが、産業再生機構は報告書とでもいうべき実践本を書いていたのですね。国民の税金を投入していたのですから当然報告の義務はありますが、企業を再生させる生きた実務書としても価値がありそうです。
産業再生機構
産業再生機構 事業再生の実践〈第1巻〉デューデリジェンスと事業再生計画の立案
産業再生機構
産業再生機構 事業再生の実践〈第2巻〉債権者調整と債権買取手続
産業再生機構
産業再生機構 事業再生の実践〈第3巻〉事業再生計画の実行
ダイエーやカネボウなど41社の立て直しを終えて、3/15に解散した産業再生機構ですが、国内で未成熟だった企業再生ビジネスの道を切り開き、経営改革の旗振り役を務め、結果的に400億円近い利益を生み出しました。上記3冊の本には、その産業再生機構の実務を明らかするとともに、銀行間の債権調整や取引先の説得、金融機関同士の交渉などなど、すべての事業再生に必要なノウハウを提示してあるということです(amazon談)。昨今は目先の利ざやを稼ぐことだけを目的としているような投資ファンドもありますが、企業価値向上を考える上でも機会(と時間とお金)があればぜひ拝読したいと思います。

公的年金改正

公的年金改正 賃金多い70歳以上も減額
YOMIURI ONLINE に4月からの年金制度改正が載っていましたので、備忘録として書いておきます。
分かりやすく視覚的に表わすと以下のようになります。

年金改革

まずは保険料。
2004年の年金改革で、保険料を毎年4月に原則280円ずつ引き上げることが決まりました。今年4月からは月1万4100円になります。なお、サラリーマンが収める厚生年金の保険料率も毎年9月に改定され、2017年を目処に毎年0,354%ずつ引き上げられます。現時点では、2017年に18,3%で固定される事になっていますが、将来どうなるかは分かりませんよね。

次は、お年寄りの厚生年金減額制度。
厚生年金には60歳代で正社員などとして働くと、賃金に応じて年金を減額する「在職老齢年金」の仕組みがあります。4月以降、対象者が70歳以上にも拡大されるとの事です。少子高齢化が進行する中で、年金受給人口だけが増加してしまいますので、このような制度も仕方ないところではあります。とはいえ、厚生年金(報酬比例部分)の月額と毎月の賃金の合計が48万円以下の場合は減額されないという事ですから、かなりの高額所得のお年寄りだけが対象のようです。

続いて、繰り下げ受給。
65歳以降の厚生年金受給者は、受給開始を1か月遅くするごとに将来の年金は0.7%増額されます。5年間遅らせて70歳から受け取ると、本来より42%も多くなります。ファイナンス的に書くならば、年金受給のリスクプレミアム(死亡して受給できなくなるリスクに対する付加価値)は年8.4%といったところでしょうか?

最後に年金辞退。
なんと、生活に余裕があり「年金はいらない」という人には、受給を辞退できる権利が与えられるようです。このような奇特な方がどれほどいらっしゃるかは甚だ疑問ですが、とにかくそのように制度改正したということですね。いっその事、年金辞退をされた方には国民栄誉賞などの特典を与えた方がいい気もしますが。。。

今後もガンガン年金制度改正は行われると思いますが、いずれ自分の身に降りかかる事ですので、絶えず注視していきたいですね。

日興が外資傘下に?

顧客、従業員、株主、皆が損する現実
右往左往してようやく決着が着いた日興の上場廃止問題ですが、読売ウィークリーに興味深い記事が載っていましたので、以下に取り上げます。

(読売ウィークリー2007年3月25日号より)
3大証券の一角でありながら、悪質な不正会計で信用を失った日興コーディアルグループが、日本市場の失地回復を狙う米金融大手シティ・グループの傘下に入ることになった。渡りに船の買収劇では、お互いが相思相愛ぶりを演じ、その統合効果を強調する。しかし、今後のストーリーは、日興社員の大リストラで始まる「残酷物語」に行き着く可能性さえささやかれている。

合併効果?

記者会見するシティ・グループのダグラス・ピーターソン氏(右)と日興の桑島社長。「互いにメリットがある」と強調したが、シティの本当の思惑は?(尾崎 孝 撮影)

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社説では今後の展開として、1997年に経営破綻した山一証券のようになるのではないかと結論づけています。
山一証券の時は社員の90%をリストラし、業務内容を利益率の高い富裕層に特化。採算の合わない顧客、店舗、社員を整理したとのことです。
シティはもともと、主力ビジネスとして日本国内に富裕層向けのプライベートバンク(PB)部門を持っていたようですが、数々の不正取引が表面化したことから、2004年に当局によって認可を取り消され撤退を余儀なくされた経緯があります。今回の買収によって一気に巻き返しが図れるとの期待感から買収に踏み切ったと社説の著者は見ています。

しかし、この場合割を食うのは、人件費などのコストに見合わない小口の個人顧客です。

SOS団が特に危惧しているのは最近始めた投信スーパーセンター を利益率の観点から整理されたりしないかということです。投信SCは扱っている投信の数が半端でなく多いこともあって、玉石混交ですが、中には年金積立インデックスファンド海外債券(ヘッジなし) などの優れた商品もあります。コーディアル・コミュニケーションズは日興のグループ会社のようですが、シティが日興を買収したとしても小口の個人顧客に対しても優れたサービスの提供を続けてくれることを切に望みますね。

年金制度を知ろう

賦課方式の年金制度
なかなか面白いサイトを発見したので、ここで取り上げたいと思います。
団塊世代の資産運用

新聞やテレビで年金給付率が50%を切りそうだとか、保険料率が年々上昇しているというニュースをよく耳にしますが、感覚的には分かっていても正確に理解している人はそれほど多くはないのではないでしょうか?恥ずかしい話ですが、SOS団は良く理解していなかったクチです。。。。(^^;;)
日本の公的年金制度が賦課方式であることは、皆さんご存知のことと思います。言い換えれば、年金世代が受給する年金総額に必要な原資を、その時の現役世代の保険料で賄う方式ですね。これを思いっきり数式で表わすと以下のようになります。

ねんきんの式

賦課方式の年金制度では、現在の年金受給総額と現役世代が支払う年金保険総額が一致しています。
この式を変形すると以下のようになります。

年金の式2

このように変形すると、おなじみの年金給付率や保険料率が分かりやすくなったと思います。
厚生年金の保険料率は、毎年0.354%(本人負担0.177%)ずつ引き上げ、2017年度には18.3%(本人・9.15%)で打ち止めする方針が示されています。
一方、給付率は概ね現役世代の給料の半分程度する方針が示されています。 つまり、年金給付率が50%程度の年金を維持出来るか否かは、「年金世代/現役世代比率」の状況次第という、当たり前の結論が導き出されます。


このように、賦課方式である公的年金制度は、人口動態の影響をモロに受ける仕組みになっています。そして「年金世代/現役世代比率」は、少子高齢化の影響を反映します。特に少子化が政府の想定以上に進んでいるので、年金制度に対する不信感がますます高まっているんですね。
上の式から年金制度を維持するためには、受給年齢をガンガンに引き上げて受給者総数を減らす、給付率を下げる、保険料率を上げるの3つしかないことが分かります。外国人労働力を増やす、平均賃金を引き下げる等の方法もありますが、いろいろと問題がありそうです。

まあ、遅かれ早かれ賦課方式の年金制度では破綻してしまうので、社会保険料目的の消費税を導入しつつ、積み立て方式に移行していくくらいしか手がないと思うのですが、皆さんは如何お思いでしょうか?

楽天でEAFE、EEMの2本のETF

世界中を丸ごと買う環境
SOS団がいつもお世話になっている水瀬氏のブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー 」で、楽天証券がEAFE、EEMの2本のETFを取り扱うというニュースが出ていました。これで、日本においてもネット証券で全世界中に投資できる環境が整ったことになります。

【特集】海外ETFなら楽天証券!

EAFEとはEurope, Australasia Far Eastの略で、対象国はオーストラリア、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、アイルランド、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリスの先進国21ヶ国になります。

EEMはEmerging Markets Index Fundで、対象国はアルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、チェコ共和国、エジプト、ハンガリー、インド、インドネシア、イスラエル、ヨルダン、韓国、マレーシア、メキシコ、モロッコ、パキスタン、ペルー、フィリピン、ポーランド、ロシア、南アフリカ、台湾、タイ、トルコの25ヶ国です。

EAFEとEEMにアメリカとカナダを組み合わせれば、世界48ヶ国に投資できることになりますね。ちなみに時価総額の割合は


となっています。
CAPM(Capital Asset Pricing Model)に従い、この割合で購入すれば、理論上は一番効率的だということになります。まあ、あくまで投資理論ですが。。。

SOS団は海外口座での取引を考えていましたが、今回のニュースでちょっと考え直させられました。手数料を考えれば海外での取引の方が圧倒的に安上がりで小回りが効きますが、相続問題、確定申告も考慮すると国内で投資したほうがあとあと楽です。(楽天での買付手数料は$31.5、為替手数料は25銭。FIRSTRADEでの買付手数料は$6.95、為替手数料はマネーパートナーズのコンバージョン利用で20銭、CITIバンクの海外送金で4000円/1回)

ノーロードのMSCI-KOKUSAI連動型投資信託をドルコスト平均法で購入し、ある程度の金額になったらETFにスイッチするという方法が手間とか確定申告時での負担が一番少ない気がします。

***

(2007/5/25追記)
PALCOM氏のブログ『PALCOMの海外投資塾 』で、以下のような記載がありました。

海外証券口座の大きなメリットは、海外ETFの品揃えが充実していることでしたので、日本の証券会社から海外ETFを購入できるとなると、海外証券会社に口座を開設するメリットは大きく低下することになります。残るメリットとしては、手数料が安いことが挙げられますが、海外ETFを購入する際の手数料の差はせいぜい$20程度ですから、言葉や法律の差という大きなデメリットを負ってまで海外証券会社に口座を開設する必要性は少ないといえます。資産保全目的で海外口座を開設することは、少なくとも庶民レベルでは全く意味がなく、リスクを増やすだけなので止めるべきだと思います。

投資環境が変わったのだから、素直に国内で海外ETFのやり取りをした方が賢明だと言えそうですね。

年金の給付水準

年金給付率 共働き・独身50%未満に
政府は「モデル世帯の給付水準は、将来も現役世代の収入の50%以上を保障する」と説明していますが、「50%」を約束されているのはモデル世帯の65歳時点での給付水準だけです。共働きや単身の世帯については、50%が保障されるわけではありません。
まず、ここでいうモデル世帯というのは、平均的な賃金で40年間働いたサラリーマンの夫と専業主婦だった同い年の妻という想定です。この夫婦が現在65歳だとすると、年金受給額は月約23万3000円(内訳は夫の厚生年金約10万1000円、夫婦それぞれに基礎年金約6万6000円ずつ)です。

では、共働きの夫婦(共に40年間勤務)のケースではどうでしょうか?
厚生労働省の試算によると、この夫婦が現在65歳であれば、夫婦合計の受給額は月約29万6000円です。妻も自分名義の厚生年金を受け取れるので、専業主婦のモデル世帯より約6万3000円多くなっています。ところが、所得代替率を見ると、現役世代の平均的な共働き夫婦の手取り賃金(合計約63万8000円)の約46%です。すでに50%を下回っており、今後の給付水準引き下げで、さらに低下してしまいます。

独身だった男女はさらに所得代替率が低下し、現役世代の50%を大きく割り込む見通しです。
年金の問題点として、賦課方式と第3号被保険者(専業主婦)が挙げられますが、このしわ寄せが世帯による所得代替率の違いという形で現れているのですね。やはり納得性の高い制度でないと、ますます年金納付率が低下してしまうと思います(国民年金納付率は平成18年9月末で61.7%です。未納の約4割の人は現行の年金制度をしっかり理解していると見るべきでしょうかね)。年金改革もその時ばったりの付け焼刃ではなく、どっしりと先を見据えた形で行ってもらいたいものです。

所得代替率(小)

空飛ぶタイヤ

こんばんは、SOS団です。
今回はお金の話ではなく、最近読んだ本の中で面白かったものがありましたので、ここで紹介したいと思います。
池井戸 潤
空飛ぶタイヤ
この本は三菱自動車のリコール隠しが元ネタになっています。というかそのまんまです。
「整備不良」と疑われた中小企業の運送会社社長が、国内大手自動車会社に戦いを挑んでいくお話です。とにかく面白い!

大企業病とでも言うべき体質がありありと表現されていて、SOS団の勤務するA社を思い浮かべてしまいました(笑
株主第一志向で顧客を軽んじる姿勢、社内における派閥争い、役に立たない労働(御用)組合、超短期的な見方しかできない経営方針などなど、読んでいて「お〜、あるある!」という部分が随所に出てきます。
A社はコンプライアンスには非常に敏感なので、リコール隠しのような事例はありません。というより、米メルク社のバイオックス回収騒ぎのようなことがA社で起これば、一発で市場から退場させられます。その点は心配ないのですが、やたら無意味な会議が多い、仕事のための仕事が発生している、数値目標だけが一人歩きして質が伴っていないなど、まさに絵に描いたような大企業です。世間からは優良企業として知られていますけど、中から見ればこんなもんって感じです。

もしも大企業に勤めている方なら、この本を読めば親近感から「フッ」とほくそえんでしまうでしょう。また、中小企業に勤めてる人からすれば、大企業ってなんなんだ?と思われるでしょう。成果主義に代表される殺伐とした現代社会において、何か大切なものを思い起こさせてくれる良書です。とにかくオススメ。