お金持ちに学ぼう
今回は個人的興味から、日本にミリオネラ(純資産1億円以上の世帯)がどれだけいるのか調べてみました。野村総研の推計によると、金融資産1億円以上の富裕層は2005年時点で86.5万世帯で、日本の総世帯の約1.8%しか居ないようです。
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特に興味深いのが、資産階層別の資産ポートフォリオです。
■準富裕層(金融資産5,000万円以上〜1億円未満)
| Asset Class
|
預貯金
|
外貨預金
外貨MMF
|
国内・外国株式
|
投資信託
|
債券
|
年金保険
|
ラップ口座
|
オルタナティブ
|
その他
|
資産構成割合
|
43% |
5% |
36%
|
4% |
3% |
6%
|
0% |
0% |
3% |
■富裕層(金融資産1億円以上〜5億円未満)
| Asset Class
|
預貯金
|
外貨預金
外貨MMF
|
国内・外国株式
|
投資信託
|
債券
|
年金保険
|
ラップ口座
|
オルタナティブ
|
その他
|
資産構成割合
|
34% |
7% |
29%
|
10% |
10% |
6%
|
1% |
2% |
3% |
■超富裕層(金融資産5億円以上)
| Asset Class
|
預貯金
|
外貨預金
外貨MMF
|
国内・外国株式
|
投資信託
|
債券
|
年金保険
|
ラップ口座
|
オルタナティブ
|
その他
|
資産構成割合
|
29% |
4% |
47%
|
9%
|
5% |
3%
|
1% |
1% |
1% |
| ※ |
預貯金 |
:大口定期預金、MRF・預け金、金銭信託・貸付信託を含む |
| ※ |
株式 |
:国内株式・外国株式・社員持株会を含み、非上場の株式は含めない |
| ※ |
投資信託 |
:国内、海外、ETF、REITを含む |
| ※ |
債券 |
:国内債券、外債 |
| ※ |
一時払い生命・
年金保険 |
:全保険料を一括して支払う定額年金保険、変額(投資型)年金保険、養老保険、終身保険のこと、定期保険は除く
|
| ※ |
ラップ口座
(SMA) |
資産運用のアドバイスや株式の売買注文などを一括して提供する資産運用サービス |
| ※ |
オルタナティブ
商品 |
:ヘッジファンド、商品ファンド、仕組み債(日経平均や為替、金利に連動して利回りや
償還条件が変化する債券)など |
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野村総研が2006年3月に実施したアンケート調査から、富裕層の資産ポートフォリオは、株や投資信託などのリスク性資産の割合が高いという特徴があることがわかると思います。預貯金以外をリスク性資産と定義すると、富裕層の金融資産のうち67%を占めます。資産階層別に見ると、金融資産が多いほどリスク性資産の割合が高くなっています。
富裕層になればなるほど生活資金には困らなくなるので、手持ちの現金は意味を為さなくなります。結果的にリスク性資産に流れ、金が金を生む状態になるのです。
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以上のデータから、早期にミリオネラになりたければ預貯金の割合を減らし、リスク資産に投じることが必須であることがわかります。特に株式は重要で、リターンの大部分を担う中核になりますので、比率を高める必要がありそうです。
SOS団も家計版ROAを高めるために一生懸命、預貯金の割合を減らしているところです。資産家への第一歩は、お金ではなく『資産』を保有することだと思いますね。
公的年金資金、株や債券以外でも運用検討
(NIKKEI NET 2007/5/5より)
公的年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(年金運用法人)は、国内外の株式と債券に限っている運用先を多様化するため、不動産の証券化商品などへの投資を検討する。分散投資によって株式や為替相場に大きく左右される運用利回りを安定させるのが狙い。株・債券運用では先物市場を活用し、株価の急変動などによる損失を回避することも検討する。
年金運用法人は運用資産を抜本的に見直す2010年度に、株と債券以外の「代替投資」を導入したい考え。今後、有識者で構成する運用委員会で議論し、厚生労働省とも調整する。オフィスビルなどを保有して賃料を稼ぐ不動産私募ファンドへの出資のほか、住宅ローンを担保にした証券化商品の購入を検討する見通し。未公開株などに投資する私募ファンドの活用も検討課題になる。
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これまで
厚生年金保険及び国民年金の運用
は古典的な資産である株式と債券だけで賄われてきました。現行での基本ポートフォリオは以下のとおりです。
|
国内債券 |
国内株式 |
外国債券 |
外国株式 |
短期資産 |
| 資産構成割合 |
67% |
11% |
8% |
9% |
5% |
| 乖離許容幅 |
±8% |
±6% |
±5% |
±5%
|
ー |
このポートフォリオは国民にとってわかりやすいという点では評価できますが、資産の安定運用という点ではまだまだ改善の余地を残しています。
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各国の年金基金はもっと様々な資産に分散投資を行い、リスク低減に努めているのが現状です。
例えば、運用資産が約23兆円ともいわれている米カルパースにおけるポートフォリオは以下のとおりです。
| Asset Class
|
Total AIM
Direct & Partnership
|
Total Global
Fixed Income
|
Domestic
Equities
|
International
Equities
|
Total
Real Estate
|
Total
Cash Equivalents
|
Current Allocation
|
5.8% |
23.2% |
39.9% |
21.7% |
7.9% |
1.5% |
REITや商品先物指数といった「代替投資」でリスクコントロールを行っていますね。さらにカルパースは今後3年間にわたり、ヘッジファンドへの投資を拡大する見通しとの発表をしており、今後も商品市場への資金流入が続くのは確実です。
また、年金基金として世界2位の規模を持つ公務員年金基金(ABP)におけるポートフォリオはさらに複雑で、以下のとおりになっています。
| Asset Class
|
Fixed
Income
|
Inflation
Indexed
Bonds
|
Convertible
Bonds
|
Domestic
Equities
|
Private
equity
|
hedge funds
|
Real estate
real-estate funds
|
commodity
futures
|
Current Allocation
|
40% |
4% |
2%
|
34% |
4% |
3.5%
|
10% |
2.5% |
ABPのポートフォリオの特徴は、海外株式比率が0%である点と、あらゆる金融商品に対する分散投資という点にあると思います。分散投資を行っていくと、自国通貨の割合が減ってしまい余計な為替リスクを抱えることになるためかもしれません。いずれにせよ、ここまで分散されると個人では把握しきれないでしょう。
また、ハーミーズが運用しているブリティッシュテレコム(以下BT)の年金基金も日本の公的年金同様、「代替投資」の割合を増やしていく方針で、「代替投資」の導入は世界的な流れのようです。
ちなみに、BTのポートフォリオは以下のとおり。
| Asset Class
|
Total Fixed
Income
|
Total
Equities
|
Real estate
real-estate funds
|
hedge funds
|
Private
equity
|
commodities
|
Others
|
Current Allocation
|
30% |
40% |
15%
|
5% |
4% |
3%
|
3%
|
なお、BTが商品先物への投資に踏み切った理由は次のように説明されています。
商品の値動きは株や債券と逆相関にあるため、ポートフォリオに付加価値をつけたり分散効果が図れる。特にインフレが上昇する際に商品が株式や債券を大きくアウトパフォームすることが過去のデータで示されており、インフレが高水準で上昇傾向にある場合に商品がポートフォリオに重要な意味を持つ。年金にとってインフレ上昇は債務の増加につながるため、長期的にインフレ上昇懸念がある場合、インフレ圧力でリターンが低迷する株式や債券を商品が補完する役割を果たす。
***
SOS団も以前、コモディティへの投資を考えましたが、如何せん、現存するコモディティファンドは手数料が高すぎて話しになりませんでした。ですので商品連動型のETFが登場するのを待っている状態です。それまでは古典資産でお茶を濁すつもりです。。。
基本ポートフォリオの検証
検証においては、
公的年金のデータ
(平成18年12月18日)をそのまま拝借して行います。本データは国内資産の期待リターンには利潤率と実質金利等が概ね比例関係にあることに着目したモデルを用い、また外国資産の期待リターンには現地通貨ベースの短期金利に対するリスクプレミアムを過去データから算出して行っています。
■名目上の期待リターン
国内株式:4.8%
国内債券:3.0%
外国株式:5.0%
外国債券:3.5%
リスクの推計(年率換算)は、1973年〜2005年(33年間)の以下のデータを用いて行っています。
国内債券:NOMURA-BPI総合指数年次リターン
国内株式:TOPIX(配当込み)年次リターン
外国債券:シティーグループ世界(除く日本)国債インデックス(円ベース)年次リターン
外国株式:MSCI-KOKUSAIインデックス(配当込み、円ベース)年次リターン
■リスク
国内株式:22.57%
国内債券:5.43%
外国株式:20.0%
外国債券:13.63%
■相関係数
このデータをそのまま使用すると運用コストが無視されてしまうので、以下の運用コストを期待リターンから差し引いて勘案します。
■運用コスト(信託報酬)
国内株式:0.1155%
国内債券:0%
外国株式:0.10-0.84%
外国債券:0-0.73%
小さな数字は無視しがちですが、改めて書き出していると外国資産の運用には多額の経費がかかることがわかりますね。
さて、上記のデータとSOS団のリスク許容度(2σ=30%)、外貨比率(〜40%程度)、
自社株(補助7%)
および住宅財形貯蓄(利子2%)を考慮してポートフォリオを決めますと、おおよそ次のようになりました。
■SOS団ポートフォリオ作成案
短期資産:10%(2年間の生活資金確保)
国内株式:37%(バリューアベレージング法によるTOPIX買い)
国内債券:10%(残金で適宜購入)
外国株式:21%(ドルコスト平均法によるインデックス買い)
外国債券:22%(ドルコスト平均法によるインデックス買い)
実質期待リターン:4.0%、リスク:10.90%、外貨比率:43%のポートフォリオです。日本株は全世界の株式時価総額の15%程度なので、CAPMに基づいて外国株比率を高めたいところですが、為替の影響も考えると60%程度は日本円で運用したいところです。また現在の国内債券は魅力薄ですが、今後の断続的な利上げを期待して10%程度は許容できると考えています。
ポートフォリオに解はないので上記案の妥当性はわかりませんが、一応、2007年度のSOS団の目標設定として現在とのギャップを埋めていきたいと思います。
投資成果の約80%は、アセットアロケーション(資産配分)により決定されるという周知の事実があります。ですからSOS団は、投資タイミングとか個別株の選定といった残り20%を重視していません。
もちろん軽視もしていませんが(^^;;
では、資産形成で最も重要なアセットアロケーションはどのように決定したらよいのでしょうか?
おそらくアセットアロケーションに正解は存在しないと思うのですが、山崎氏が述べている「国内株式と外国資産(株式・債券・預金)の比率が2対1くらいの組み合わせならば、プロの資産配分と相当似ている」が一つの解となるのではないでしょうか。山崎氏の提案の裏には、「
為替リスクはリターンと相関しない
ので、ハンドリングの難しい外国資産の配分比率をあまり高めるな」というのがあると思います。
将来日本で生活するのが前提でしたら、日本円での運用比率を高くすることにも納得できますね。逆に、将来は
マレーシアのペナン島
あたりで悠々自適に過ごしたいというのであれば、外国資産の配分比率をもっと高めても良いと思います。

山崎 元
お金をふやす本当の常識―シンプルで正しい30のルール
公的年金ポートフォリオから学ぶ
次に
各国の公的年金基金
の資産配分を取り上げることにします。公的年金基金と書くと、お役所仕事で適当に運用してるんじゃね?と思われるかもしれません。しかし実際には多額の資金を運用しているため、失敗すると国が転覆しかねません。そのため、かなり高度な金融工学技術を駆使して運用されていることがHPから窺い知れます。
以下、参考のためにいくつかの年金基金を取り上げて、ポートフォリオ考察の一助としたいと思います。
カリフォルニア州立年金基金
運用資産が約23兆円ともいわれている米カルパースは資本市場を動かすことができる巨額な年金基金として、市場では注目度が高いです。ホームページ(2006/8)で確認する限り、ポートフォリオは以下のとおりです。
- Domestic Equities:39.6%
- International Equities:23.0%
- Total Global Fixed Income:24.0%
- Total Real Estate:7.30%
- Total AIM: Direct & Partnership:5.60%
- Total Cash Equivalents:0.50%
まず、株式比率が60%!と高いことが目を引きますね。アメリカ株式とその他インターナショナル株式の比率が2:1であることから、ほぼ時価総額に準じた運営を指向しているものと思われます。債権比率は1/4と低く、かなり積極的にリターンを追求するポートフォリオです。不動産関連投資へのアロケーションは7%、オルタナティブ投資(プライベート・エクイティとベンチャーキャピタル)へのアロケーションは5.6%と、株式や債権に相関性の薄い金融商品も組み入れられているのがわかると思います。
厚生年金基金
サラリーマンであるSOS団が毎月源泉徴収されている厚生年金基金を取り上げてみます。ホームページ(平成18年3月末)で確認する限り、ポートフォリオは以下のとおりです。
- 国内株式:34.21%
- 外国株式:19.40%
- 国内債券:20.40%
- 外国債券:10.64%
- ヘッジファンド:3.63%
- その他(オルタナティブ投資、不動産、貸付金等):3.08%
- 短期資産:2.90%
米カルパース同様、自国通貨と外貨の比率は2:1くらいですね。株式は日本の比率が高いので、世界の時価総額には準じていないようです。安全資産である国内債権の比率が高く、かなりボラティリティを嫌った運用のようです。